●本の窓
グループ『幻触』の記録
発行:本阿弥 清 虹の美術館(NPO環境芸術ネットワーク) 2005年 |
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グループ幻触とは、60年代後半から70年代初頭にかけて、静岡、清水の作家たちを中心に活動した美術集団です。評論家・石子順造が主導し、高松次郎やもの派とも強い影響関係にありました。近年、石子の再評価ともの派の再考が行われる中で、脚光を浴びています。本書は、発行人による執念の研究が結実したもの。作家インタビューや作品記録など、貴重なドキュメンテーション満載です。と同時に、これらが現時点で収集された資料であることも興味深い。歴史記述とは、つねに現在の視点から編まれるものだからです。グループ幻触ともの派の歴史的位置づけは、現在進行形です。本書自体が、その歴史形成のドキュメンテーションでもあるのです。
堀切正人(当館主任学芸員) |
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