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ただいま準備中
「森鷗外と美術」
11月7日(火)〜12月17日(日)

 明治、大正時代を代表する文豪・森鷗外が、美術と深いつながりがあったことは、あまり知られていないかもしれません。しかし、ドイツ三部作のひとつ「うたかたの記」の主人公は、生涯の盟友であった画家・原田直次郎がモデルですし、短編小説「花子」には、ロダンが描かれています。様々な画家や彫刻家たちと交遊し、現在の東京国立博物館の前身である帝室博物館の館長を勤めるなど、文化行政官としても活躍しました。この展覧会は、鷗外が日本の近代美術にはたした役割を振り返る、初めての本格的な展覧会です。
 ところで、この展覧会は、島根県立石見美術館、和歌山県立近代美術館、そして当館の3館による共同企画です。3館の学芸員が、それぞれの得意分野を活かしつつ、調査と準備を進めています。美術館どうしが力を合わせることによって、全国巡回する大規模な展覧会を組み立てる、ひとつの例と言えるでしょう。
 下の写真は、島根県津和野にある森鷗外のお墓です。1年程前、3館の学芸員がこのお墓にお参りしたときの写真です。この日から展覧会の準備が本格的に始まりました。風薫る5月、木漏れ日のなかでお墓は静かにたたずんでいました。
 その隣の写真は、東大医学部を調査したときのものです。軍医が本職であった鷗外は、ここと深いつながりがありました。ここにある肖像画や肖像彫刻のいくつかは、おそらく鷗外が知り合いの作家に斡旋して作らせたものと思われます。ここでも、作品は静かに学生たちを見つめていました。
 展覧会の準備は、いつも時間に追われてあわただしいのですが、作品は、長い年月をそっと静かに過ごしてきました。調査に行くと、その静止した時間に触れたような気がして、心改まるときがあります。作品は悠久の時を生きますが、学芸員はいつもあたふたしています。「消えて迹なきうたかたの うたてき世を かこち」あかしつつも、鋭意、努力しています。ご期待ください。

(当館主任学芸員 堀切 正人)







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