● 本の窓　「2000年後の冒険ミュージアム」記録集 柴川敏之・編著、発行 　優れたワークショップを行うことは、すぐれた展覧会を行うことと同じぐらい、大変労力が要ることです。ましてや、その記録集を編むことは、力尽きた肢体に鞭打つような作業です。であるにもかかわらず、本書は、おおよそ考えられる限りの完全な記録であり、その内容とボリュームに、ただ驚嘆し、敬服するほかないものなのです。美術家である著者が、広島県立歴史博物館の全体を使って企画、実施した大規模かつ長期間の活動。この書ができるまでに、いったい、どれほどの人のどれほどのエネルギーが注ぎ込まれたのか。それを想像するとき、博物館はまだまだ元気だっと思えてくるのです。とにかく豪快な記録集。あっぱれ。 （当館主任学芸員　堀切　正人）

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