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ヴェネツィア絵画のきらめき
- 栄光のルネサンスから華麗なる18世紀へ -

2007年5月26日(土)〜7月8日(日)

 長靴の形に例えられるイタリア半島は、西側をティレニア海、東側をアドリア海の2つの海に挟まれています。その美しさをアドリア海の真珠と称えられるヴェネツィアは、この海のいちばん奥まった所に位置しています。
 パオルッチョ・アナフェストが初代統領に選出された697年からナポレオンとの戦争に敗れる1797年までの1,100年間、ヴェネツィアは揺るぎない繁栄を謳歌してきました。干潟によってできた人工の都市は、その制限された地理的条件を逆手に取ることによって、ヨーロッパ列強の中で独自の地位を築いたのです。すなわち、東西交易の要となって経済的繁栄をきわめることができたのは、卓越した海運技術と外交能力の賜物でした。また、当時のヨーロッパ諸国の中で、政治的・宗教的亡命者を受け入れたのは、統領のもとに独自の政治体制を作り上げたヴェネツィア共和国だけでした。
 本展は、このようなヴェネツィアの歴史の中から、芸術の都として名を馳せた15世紀から18世紀の300年間に焦点を当てます。ヴェネツィア絵画の特色は、何と言っても華麗な色彩にあります。線、すなわち素描を重視した同時代のフィレンツェ絵画とは対照的に、ヴェネツィア絵画は豊穣な色彩とタッチを生かしたスタイルを確立し、展開してゆきます。本展は次の3つのセクションから構成されます。

1.宗教・神話・寓意
2.統領のヴェネツィア
3.都市の相貌


ティツィアーノ・ヴェチェリオ《洗礼者聖ヨハネの首をもつサロメ》
ドーリア・パンフィーリ美術館蔵


 ティツィアーノやティントレットらによる宗教画や神話画、華やかな統領の肖像画、そしてカナレットやベロットによるヴェドゥータ(都市景観画)やロンギによる風俗画まで、約70点の絵画作品はいずれもイタリアの美術館と個人所蔵家のコレクションです。歴史と現実が交錯する舞台、遠いヴェネツィアの夢の世界をどうぞご堪能ください。
(当館主任学芸員 南 美幸)


パルマ・イル・ヴェッキオ《未完の風景の中のウェヌス》
アンティキタ・ピエトロ・スカルパ蔵


information 
●観覧料

一般・大学生 1,200円(1,000円)
小・中・高校生 600円(500円)
※( )内は20名以上の団体および前売料金


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●「グリザイユで遊ぼう! 大人の塗り絵講座」

6月(予定)




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