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美術館ニュース アマリリス より


2001

■表紙解説

五姓田芳柳(二代) 1864-1943(元治元-昭和18)年
《新潟信濃川》 1884-85(明治17-18)年頃 30.5×47.5cm
紙、水彩 平成11年度購入

 本作は、現在、確認される二代五姓田芳柳の水彩画の中で、最古のものである。画面前景に位置する川(人工堀であろうか)は、左手に広がる信濃川本流に注ぐ。当時、新潟湊付近には、こうして多くの舟が停泊していた。描かれた場所については、他門川付近という説があるが特定するにはいたっていない。
 二代芳柳の水彩画は、明治19(1886)年に、彼が関西方面に旅行した際に制作した《石山寺》等を最古とするのが従来の定説であった。しかし、本作は、それ以前の明治17年、彼が新潟師範学校へ赴任した頃に描いたものである。
 空気遠近法を用いながら、夕暮の空を鮮明で伸びやかな筆致によって描く一方で、とりわけ舟や古い小屋が川面に映し出す陰影をはじめ、細部描写にも意を用いており、彼の水彩画における秀作の一つといえる。

(当館学芸員 泰井 良)

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