当館は開館25周年をむかえた昨年、観覧者数延べ500万人を達成しました。いくつかの方針を軸に収集したコレクションは、時代や地域を越え豊かな彩りをみせ、その総数は2500点を越えるまでになりました。今年度は、この当館収蔵品の魅力をもっともっと知っていただくため、「500万人が感動したコレクション」と銘打って、春から秋にかけて収蔵品を軸にした企画展を3本シリーズでお届けします。
　その第1弾としてお送りするのが「カラーリミックス－若冲も現代アートも－」です。収蔵作品の中から選りすぐりの90点を、日本画、西洋画、現代アートといったジャンルごとではなく、「色」の効果という観点から再編集して展示します。並べて展示されることがあまりない異なる地域、年代、文脈の作品を、「色」をつなぎ手に、意外かつ新鮮な取り合わせでご覧頂きます。「色」と一口に言っても、作家たちが生み出してきた色は実に多様で、赤の中にもさまざまな表情の赤があり、金の中にもさまざまなゆらぎの金があります。展覧会を企画する側も、色が見せる複雑な表情や奥深さに翻弄されるばかりですが、この「色」をテーマにジャンルを横断するという試みの展示によって、これまで目に留めたことのなかった作品の輝きを再発見していただくきっかけになれば幸いです。

　美術になじみのない方、作品についてより深く知りたいという方にも関心をもっていただけるよう、毎週末さまざまなイベントを開催します。鑑賞のお役に立つものから、制作ができるものまで、多彩な催しをご用意してお待ちしております。イベントの内容・詳細については、本展チラシまたは当館ホームページをご覧下さい。
（当館上席学芸員　川谷承子）