アマリリス Amaryllis

2012年度 夏 No.106

実技室だより

「ドット若冲〜色彩アトリエスペシャル〜」

 色彩アトリエスペシャル「ドット若冲」は、今年で7回目のイベント。今回は、「樹花鳥獣図屏風」の鵞鳥部分に挑戦しました。4月中旬から観覧に来た方にお願いし、10日間で395名の方に一人1マス(7cmの正方形のスチレンボードに)色を塗っていただきました。大阪や、東京、北海道からわざわざ若冲の作品を見たくて来館された方々にも1枚ずつ描いていただき、参加された年齢も幅広く、下は2才から最高齢は98歳まで、どちらも親子で取り組まれていました。
 残りの部分は、4/30・5/1の2日間で、小学生と保護者、大学生、約40名が6チームに分かれて作業を進めました。講師の志村将史さんが入念に立てた計画をもとに、40名とスタッフ・実技室のボランティアが協力して制作を進めました。裏側に1枚1枚並べるため番号を書き、下書きをして、色をつくって塗り、乾かしては色を重ねていきました。その数あわせて8千枚。2日目の午後、みんなで一斉に順番に並べ、10m×5mの巨大な鵞鳥がエントランスに誕生し記念撮影を行いました。展示期間中、参加された方が巨大な作品を見に再び来館し、自分で描いた作品を見つけて思わず喜びの声をあげる姿が見られました。遠方から来た方には、HPのブログについて紹介し、「楽しみにしています」と励ましの言葉をいただきました。昨年に引き続き体験する方も多く、GW期間中の若冲の作品展示とともに来館される方の楽しみのひとつとなってきたようです。


ドット若冲


「ちょこっと銅版画体験」

 今回、エントランスでの銅版画体験は、銅版の上に紙を重ね、プレス機で圧力をかけて凹凸のみがうつるエンボス加工と、カーボン紙を間に重ねて、白黒が反転してうつすものの2種類を用意しました。銅版は、9種類の中から選んでいただきました。自らハンドルを回すことでできる作品は、職場体験の中学生や実技室ボランティアのおかげで、午前、午後の2時間ずつでしたが5日間で363名。そのうち、17名は、さらに実技室にてエッチングの体験を行いました。お持ち帰りできる作品づくりを通して、来館者といろいろな会話ができる機会がもてることが「ちょこっと体験」のよさのひとつと言えます。
(当館学芸課主査 伴野潤)


ちょこっと銅版画

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