アマリリス Amaryllis

2009年度 秋 No.95

県立美術館での国民文化祭、もうすぐ開幕!

今秋、静岡県で第24 回国民文化祭が開催されます。国民文化祭とはいったい何なのですか、という質問をよく受けるのですが、手許のガイドブックには次のように書かれています。「国民文化祭は、全国各地で行われている様々な文化活動を、全国的な規模で発表・鑑賞・交流することにより、文化活動への参加の機運を高め、新たな芸術文化の創造を促すことをねらいとした祭典です。」ちょっと堅苦しい説明ですが、国体の文化版とでも呼びうるもので、ここ数年では、山口、徳島、茨城で開催され、静岡にバトンが渡されました。
国民文化祭に含まれる活動は、文学、芸能、美術、工芸、音楽、映像、ダンス、食など、多岐にわたっています。当館は美術展(洋画、彫刻・造形)の会場となり、全国から応募され、審査にパスした入選作・入賞作が展示されます。言葉や食べ物にその土地ならではの特徴があるように、美術作品にも各地の個性が強く出てくると、愉しくなると思います。
美術部門の関連イベントとして、「ロダン彫刻デッサン展」を同時開催することになりました。会場は、静岡市民ギャラリーです。当館では約10 年前から、ロダン館でイーゼルを立ててのデッサン会を開催しており、今回の「デッサン展」はこれまで継続してきたこのデッサン会から発案されています。当初からそうであったように、本企画も描写技術の修得だけでなく、美術鑑賞につながることを目指しています。長時間ロダンの彫刻と対峙して描いた作品からは、名作の魅力を何とかして表現しようとする一途な想いが伝わってきます。
この他、ロダン館で作品を撮影した写真や、当館ホームページ掲載写真をもとに描いたデッサン作品も展示されます。静岡県立美術館で<洋画、彫刻・造形>を鑑賞したあと、ぜひ静岡市民ギャラリーにもお立ち寄りいただき、もう一つの当館の魅力に触れていただきたいと思います。
(当館学芸部長 小針由紀隆、当館学芸課主任 鈴木雅道)

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