県立美術館は昨年11月から改修工事のため休館しておりますが、新春から3月にかけ、当館所蔵の名品を展示する展覧会が三島市と掛川市で開催されます。
これは、当館と佐野美術館、掛川市二の丸美術館とが共催で行うものですが、両館と協議検討の上、それぞれにテーマを設定した企画展として開催されることになりました。
佐野美術館
「物語絵の世界〜静岡県立美術館&佐野美術館コレクションによる」展
平成22年1月5日(火)〜 2月14日(日)
〈木曜休館 2/11(木祝)開館〉
佐野美術館では、古来より今に語り継がれ、親しまれてきた物語や故事に取材した作品を選りすぐり展示します。日本の古典文学や歴史物語、あるいは中国故事などに取材した多彩な作品が会場を彩ります。江戸時代の文人画、池大雅《龍山勝会・蘭亭曲水図屏風》(重要文化財)をはじめ、狩野派の作品から近代日本画まで名品ぞろいです。そして、物語を主題にした佐野美術館所蔵の絵画・工芸も合わせて展示されます。両館コレクションのコラボレーション。そこから何が生まれるか、お楽しみに。
松岡映丘《今昔ものがたり 伊勢図》
(佐野美術館で展示)
掛川市二の丸美術館
静岡県立美術館コレクション「日本画にみる風景 —富士を愛でる 山水から風景画へ」展
平成22年2月20日(土)〜 3月28日(日)
〈月曜休館 3/22(月祝)開館、3/23(火)休館〉
掛川では、風景をテーマにした日本画が展示されます。本展は二つのテーマにより構成されています。一つは私たちになじみ深く、日本を代表する山、富士山を主題とした絵画です。その多様な表現をご覧いただきます。もうひとつのテーマは、江戸時代中期の画家たちが描いた山水画と、近代の日本画家たちが描いた風景画です。風景表現の変遷をたどります。画家たちが捉えた理想の風景や異国の風景など、様々な自然の美を鑑賞いただきます。
両展とも当館日本画コレクションのエッセンスを紹介する魅力的な展覧会となりました。当館でも、なかなか見られない貴重な機会です。三島・掛川で静岡県立美術館所蔵日本画の名品をご鑑賞ください。
(当館学芸課長 飯田 真)
東山魁夷《秋富士》
(掛川市二の丸美術館で展示)