ヘッダー1




《大トルコ展について》

 4月17日から始まった「大トルコ展」は観覧者が6万人を超える盛況であった。特にご婦人方に好評のようであった。昨年度の「古代エジプト文明展」でも11万人余を数えたし、こうした歴史的展示物の方に人気が高いようである。
 「大トルコ展」の紀元5千年頃といわれる女神形壺からオスマントルコの宝飾品に至る7千年にわたる展示物は、アナトリアの悠久の歴史を感じさせる。アナトリアの地は古来、楔形文字のアッシリアや鉄器のヒッタイトが興り、ダリウスやアレクサンドロス大王に蹂躙され、さらに属州としてローマ帝国に組み込まれ、そしてその分裂による東ローマ帝国(ビザンチン帝国)として栄え、その後、セルジューク、オスマン帝国と続き、常に東西文明の接点でありつづけた。特に16世紀のオスマン帝国は当時の世界の最先端の文明を誇ったという。
 様々な習俗、言語、宗教の異なる人種、民族、国家が侵攻し、勃興した歴史は我々、島国の日本人には想像しがたいものである。特に宗教におけるギリシア・ローマの神々の世界から、キリスト教、イスラム教の唯一神の世界への変遷は難しい。神も仏も認めてしまっている私のは、信仰といえないのかも知れない。ともあれ不思議な国であり、一度は訪れてみたい魅力的な国である。
 多くの皆さんに関心と教養をもっていただけるような展覧会を、これからも開催していきたい。


(当館副館長 岡田秀一郎)

<< back | Next>>


来館者の声 ボランティア活動 友の会について 関連リンク
カタログ通信販売 前売り券のご案内 美術館ニュース「アマリリス」より 年報
TOP MENU

ロゴマーク Copyright (c) 2001 Shizuoka Prefectural Museum of Art
禁無断転載・複写