何かというと擬人像に仕立てることが好まれたヨーロッパでは、それらを一組にした作品もしばしば作られた。「春夏秋冬」「五感」「一日の四つの時(朝、昼、夕方、夜)」等々、枚挙に暇が無い。この《四大元素》も、その一例である。世界を形作ると考えられた、地・水・風・火という四つの元素が擬人化してあるのである。それぞれには、関わりのある物が描き込まれている。例えば「火」に見られる、火打石やふいご、焚き火の様子等がそれである。だが、何故か「空気(風)」が、手にカメレオンを持っている。空気とカメレオン? これは当時、この動物が空気を食べて生きていると考えられたからである。所変われば、連想も変わる、といったところか。 |