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今村紫紅
1880−1916(明治13−大正5)

《宇津の山路》
1912(明治45)

126.5×50.4cm
絹本着色 平成12年度購入


 今村紫紅(いまむらしこう)は、横山大観らの次代を担う若手画家の代表格として、日本画の変革に多大な功績を残した。脳溢血により35歳で亡くなったが、本作は32歳という早過ぎる晩年の作。『伊勢物語』に取材し、東下りの旅を続ける主人公・在原業平が、宇津谷の峠(現在の静岡市と岡部町の境)にさしかかった場面を描く。峠道には蔦や楓が生い茂るが、物語の記述にあるような暗く心細い場所とは見えない。緑青や群青の色彩は鮮やかで、画面を覆う柔らかな「点」のリズムやその集積の美しさなどは、むしろすがすがしさを感じさせる。伝統的な主題を近代にふさわしい新鮮な感覚で表現し、紫紅らしいおおらかさやみずみすしさが満ちた魅カ的な一点となった。
(当館学芸員 森 充代)
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