アマリリス Amaryllis

2011年度 夏 No.102

実技室イベント報告(2)

「人間彫刻~アートパフォーマンス上演~」

 静岡県立美術館25周年記念イベントとして行われた「人間彫刻」Shiva(シバ)によるアートパフォーマンスの上演は、多くの方が公演鑑賞に訪れました。エントランスに全身まっ白のサラリーマンが登場すると、皆動きを止めて凝視し、大人も子どももロダン館まで後を追う列ができました。音を全く出さない中で、白のShivaさんと黒の彫刻がつくり出すロダン館の空間は不思議と融合し、ユーモラスな動きの中で彫刻と同じポーズをとったり、彫刻に話を聞いたり、励ましたり、お客さんに写真を撮ってもらったりと、彫刻や人とかかわりをもちながら練り歩く30分間の公演は、あっという間に感じられました。4回の公演で約250名。見ている者を魅了し、いつの間にかShivaさんの動きの真似をしながらついていく子どもたちの姿が印象に残りました。「派手な動きの真似は、練習すれば誰でもできる。日常の何気ない仕草や動きを表現することがとても難しい」と打合せで語り、21名が参加したパントマイムの視点からロダンの彫刻をさぐるワークショップも大好評のうちに2日間が終了しました。


Shiva


「ドット若冲~色彩アトリエスペシャル~」

 色彩アトリエスペシャル「ドット若冲」は、今年で6回目のイベント。今回は、樹花鳥獣図屏風の鳳凰部分に挑戦しました。4月中旬から観覧に来た方にお願いし、358名の方に一人1マス(7㎝の正方形のスチレンボードに)色を塗っていただきました。そして、4月30日、5月1日の2日間で、残りの部分を小学生と親子、高校大学生、30名が協力し合い6チームに分かれて作業を進めました。講師の志村将史さんが入念に立てた計画をもとに、全体の様子を見ながら指示を出し、助手の岡田友里香さんを中心に実技室のボランティアが支えになってみんなを盛り上げ、1枚1枚に番号を書き、下書きし、色をつくって塗り、乾かしては色を重ねて完成させた数あわせて8,000枚。2日目の午後、みんなで一斉に順番に並べ、10m×5mの巨大な鳳凰がエントランスに誕生しました。展示期間中、参加された方が鳳凰を見に再び来館していただけたこともうれしい成果のひとつでした。
(当館学芸課主査 伴野潤)


ドット若冲

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