実技室では、夏休み期間中、児童クラブを対象とした「夏休み美術館教室」を行っています。園・学校向けの美術館教室とは別に、6月にハガキによる応募で抽選を行いました。今回も人気が高く、8日間に約30団体の応募があり、約1,000名の児童が粘土まみれになりながら毎回500kg以上の粘土を使って活動しました。児童クラブは、1~3年生を中心とした幅広い学年層ですが、インストラクターが、毎回70名ほどの児童にあわせて粘土の内容を工夫し、助手、実技室スタッフ、実技室ボランティアが協力して楽しく粘土教室を行えるようにいつも支えてくれています。
活動の内容は、前半が粘土を体感する活動、後半が、テーマを決めた粘土制作です。
粘土の説明と諸注意の後、粘土の感触を楽しみながら、さわったり、叩いたり、のばしたり、においを確かめたり、額に粘土を丸めたものをくっつけて、お地蔵様の真似をしたり、粘土で顔をつくって粘土と仲良しになったりします。
後半は、例えば、粘土でグループごと島をつくって、みんなで生活するためのいろいろなもの(家、食べ物、仲間、動物、木、車、船等)を自由につくり、最後に、橋で島々をつなげて鑑賞会と撮影会となります。粘土にお礼をいって、みんなで片づけと掃除をして終了です。島をつくる以外にも、ガリバーになったり、オリンピックの会場をつくったり、季節や行事、児童の実態にあわせて内容を変えています。
また、夏休みに県立美術館に職場体験実習にきた中学生も一緒に粘土教室に参加し、やさしいお兄さん、お姉さん役となってくれました。3日間の職場体験の中で、朝は学芸員とともに朝の館内点検に付き添い、ショップでの手伝いや、MS受付での観覧者への声かけやチケット切り、「美術館の秘密を探れ」では、普段は見ることができない美術館の裏側を案内し、美術館の施設や支えている数多くの人たちがいることを学ぶことができました。
(当館学芸課主査 伴野 潤)
粘土教室
職場体験学習・館内点検
チケット切りを体験