2001年7月、2002年2月 発行 Gallery ART SPACE
本誌は現代美術の同人誌の一つ。本特集は少しデータが古いが、類例がないので紹介したい。当時の30歳前後の若手美術家74名に、以下のようなアンケート調査を行った記録である。制作によって自活することの困難さ、その是非、制作と職業の両立、結婚、貸画廊…。作品の売り上げだけで生きていける作家は、皆無である。圧倒的多数がアルバイトをしながら、その合間にこつこつ制作を続ける。だが生活は不安定で、しかも将来の保障はない。切実な生の声が、厳しい現実をあぶり出す。5年後または10年後に追跡調査をしたいとのことだった。時代は変わるか、変わらないのか。第2弾を待ちたい。
(当館主任学芸員 堀切正人)