《最も美しき古代ローマのモニュメント》より
1761
紙、エッチング(書籍体) 51×40×5.4cm
バルボーはフランスで生まれ、ローマで活躍した画家・版画家です。本書は、18世紀のローマに存在した古代の名所旧跡と古代の絵画・彫刻を取り上げ、128点の図版とその解説を付した、バルボー最晩年の大作です。古代遺跡の発掘などによる古代ギリシア・ローマ美術への関心の高まりを時代背景に、ピラネージやローマのフランス・アカデミーとの交流から生まれた、興味深い作品です。
《SPACE‐THE SIDE》
1984(昭和59)
紙、リトグラフ 125×250cm
菅井汲(1919‐1996)の、横長の画面の中に複数の造形的要素が組み合わされた1980年代半ばの版画作品。幾何学的な造形単位の配置が行われる一方で、斜め方向の運動性、空間の暗示、色面処理の変化の点で、1982年以降の菅井の油彩画に通じる要素を色濃く持っている。スポンジでたたくなどして塗られた不均質な色面、絵の具の素材感や筆触を生かした風合いを見せている。
寄贈いただいた作品は、前田守一の初期から晩年に至る典型的な作風を示す作品である。とりわけ、《作品CB-1「暗愚」》《作品CB-2「木偶」》は、彼がモダンアート協会展で新人賞を受賞した作品であり、前田の出世作であるが、これまでほとんど紹介されていない。今回のご寄贈作品の中には、未紹介の初期作品が多く含まれている。こうした作品群は、日本版画史において重要な役割を果たしたものであり、当館に収蔵されることで、山口源、伊藤勉黄、栗山茂など他の版画家と併せて、日本及び静岡の創作版画史を語る上で重要な位置を占めることは間違いない。
《作品CB1「暗愚」》 1959(昭和34) 紙、木版 二曲一隻 177×172cm |
《CB2「木偶」》 1959(昭和34) 紙、木版 二曲一隻 177×173cm |
《作品BC1》 1959(昭和34) 紙、木版 一隻 168×82cm |
《作品DG-1》 1960(昭和35) 紙、木版 一隻 116×87cm |
《泥梨番》 1964(昭和39) 紙、木版 一隻 170×82cm |
《personality》 1970(昭和45) 紙、木版 46.0×32.0cm |
《not so black as he is painted》 1972(昭和47) 紙、木版 45.8×64.0cm |
《はごろも橋》 1978(昭和53) 紙、木版 35×60cm |
《明治はるあき-停車場にて》 1995(平成7) 紙、木版 55×77cm |
《窓辺の手-そして木馬たち-》 2000(平成12) 紙、木版 57×80cm |
《海からの便り-青い渚》 2000(平成12) 紙、木版 57×80cm |
《天網》 2002(平成14) 紙、木版 60×60cm |