アマリリス Amaryllis

2008年度 秋 No.91

風景ルルル〜わたしのソトガワとのかかわり方
2008年 11月3日(月・祝)〜12月21日(日)

内海聖史《色彩の下》の作品写真
内海聖史《色彩の下》 2004年制作/2008年展示
Photographed by Hideto Nagatuka
Courtesy of the artist
協力:Rontgenwerke AG

企画展「風景ルルル〜わたしのソトガワとのかかわり方」では、現代作家8人の表現を「風景」を切り口に読み解きご紹介します。
この展覧会で取り上げる風景表現(または風景として解釈できるもの)は、断片的で、どことなく軽く、ゆるい。ささやかで、流動的であるといった点が特徴といえます。風景の中に人物が表わされている場合には、風景は単なる背景を越えた在在に見えますが、人物とは明確なつながりを持たず関係が曖昧です。タイトルにつけた「ルルル」という擬音語は、こうした現代における風景の捉え方、表れ方の軽さ、ゆるさ、曖昧さ、意味のなさを表現したものです。
私たちはいま、共有できるコミュニティー、フィールド、理念、理想が成り立ちにくい時代に生きています。この断片的でゆるい風景は、個々に多様な背景と内面を持ったわたしと、このわたしを取り巻く複雑な外界(ソトガワ)とのかかわり方を映し出しているようです。
紹介する作品の中には、従来の「風景画」や「風景彫刻」という枠におさまりきらないものも含まれています。企画者は、彼らの表現を風景として解釈することによって、新たな風景表現の可能性を提案してみたいと考えています。
当館は、開館以来17世紀以降の東西の風景表現をコレクションの柱としてきました。今回紹介する8人の表現者たちの現代の感性が、美術館で収集しているオールドマスターたちの表現を逆照射し、互いの時代や個性を浮かび上がらしてくれるような、そんな展覧会にできればと思っています。
(当館学芸員 川谷承子)

小西真奈《山のひと》の作品画像
小西真奈《山のひと》 2007年
Photographed by Keizo Kioku
Courtesy of ARATANIURANO and the artist

鈴木理り 策さく《海と山のあいだ》の作品写真
鈴木理り 策さく《海と山のあいだ》 2008年
Courtesy of the artist and Gallery Koyanagi

出品作家(順不同、敬称略)
鈴木理策 、高木紗恵子、ブライアン・アルフレッド、柳澤顕、内海聖史、小西真奈、照屋勇賢、佐々木加奈子

Information

観覧料 一般 800円(600円)
高校生・大学生・70歳以上 400円(300円)
中学生以下 無料
※()内は前売または20名以上の団体料金。

会期中、関連イベントを多数開催します。詳しい情報はこちらをご覧ください。

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