内海聖史《色彩の下》 2004年制作/2008年展示
Photographed by Hideto Nagatuka
Courtesy of the artist
協力:Rontgenwerke AG
企画展「風景ルルル〜わたしのソトガワとのかかわり方」では、現代作家8人の表現を「風景」を切り口に読み解きご紹介します。
この展覧会で取り上げる風景表現(または風景として解釈できるもの)は、断片的で、どことなく軽く、ゆるい。ささやかで、流動的であるといった点が特徴といえます。風景の中に人物が表わされている場合には、風景は単なる背景を越えた在在に見えますが、人物とは明確なつながりを持たず関係が曖昧です。タイトルにつけた「ルルル」という擬音語は、こうした現代における風景の捉え方、表れ方の軽さ、ゆるさ、曖昧さ、意味のなさを表現したものです。
私たちはいま、共有できるコミュニティー、フィールド、理念、理想が成り立ちにくい時代に生きています。この断片的でゆるい風景は、個々に多様な背景と内面を持ったわたしと、このわたしを取り巻く複雑な外界(ソトガワ)とのかかわり方を映し出しているようです。
紹介する作品の中には、従来の「風景画」や「風景彫刻」という枠におさまりきらないものも含まれています。企画者は、彼らの表現を風景として解釈することによって、新たな風景表現の可能性を提案してみたいと考えています。
当館は、開館以来17世紀以降の東西の風景表現をコレクションの柱としてきました。今回紹介する8人の表現者たちの現代の感性が、美術館で収集しているオールドマスターたちの表現を逆照射し、互いの時代や個性を浮かび上がらしてくれるような、そんな展覧会にできればと思っています。
(当館学芸員 川谷承子)
小西真奈《山のひと》 2007年
Photographed by Keizo Kioku
Courtesy of ARATANIURANO and the artist
鈴木理り 策さく《海と山のあいだ》 2008年
Courtesy of the artist and Gallery Koyanagi
出品作家(順不同、敬称略)
鈴木理策 、高木紗恵子、ブライアン・アルフレッド、柳澤顕、内海聖史、小西真奈、照屋勇賢、佐々木加奈子
観覧料 |
一般 800円(600円) 高校生・大学生・70歳以上 400円(300円) 中学生以下 無料 ※()内は前売または20名以上の団体料金。 |
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