日本画 | 版画・ミクスト・メディア | 油彩 | 彫刻 |
作者が様々なメディアの制作を経て、「彫刻家」としての原点に立ち返り2007年にスタートさせた意欲的なプロジェクトの1作目にあたる。本来は柔らかいであろう胎児の産毛や皮膚の表面の触感が、イメージを裏切るように、1本1本鋳造された針のようなフォルムと硬質な素材で表わされている。作者の初期の頃からの制作の源泉である痛み、不安、皮膚感覚といった心理や神経につながる抽象的な感覚や精神状態が、本作にもみられる。毛は方向性を帯び渦巻を描き、表面のパール塗料のつややかな光沢で、見る角度によって陰影を帯びる。
SP1 Beginning (The Whorl of Lanugo01)を含めシリーズ計3点を収蔵。
《SP1 Beginning
(The Whorl of Lanugo01)》
2007(平成19)
アルミニウム鋳造、鉛、パール塗料
93.0×93.0×10.0cm