コレクション新収蔵品

2015年 静岡県立美術館 新収蔵作品

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版画

谷川晃一 1938(昭和13)-

ポスター研究、制作、販売グループ「QUA(クア)」により、シルクスクリーンで制作された。1967年11月12日に早稲田大学大隈講堂で開催された、ゴダール映画祭のためのポスター。谷川晃一のデザインによる。

ジャン=リュック・ゴダール監督特集 Film Program:Jean-Luc Godard/QUA発行の画像

《ジャン=リュック・ゴダール監督特集 Film Program:Jean-Luc Godard/QUA発行》
1967(昭和42)
紙、シルクスクリーン 100.9×72.6cm

磯辺行久 1935(昭和10)-

1935年東京都生まれ。1960年代初頭、ワッペン型の記号が連続する絵画で、一躍、日本の現代美術を代表する若手作家となる。1960年代後半ニューヨークに渡った磯辺は、空気の効果に着目し、パラシュートを天井からつるして、下から風を送って、円蓋のような形を創り出し、風によって生み出される彫刻を創り出した。1969年から、パラシュートを屋外に持ち出し、風に任せて千変万化する形を追求する《フローティング・スカルプチャー》を手がけるようになる。中でも、「パラシュート・キャノピー・プロジェクト」は、おもに郊外の広い空間で行ったプロジェクト。本作は、同プロジェクトのプランと写真を記録する版画作品。同プロジェクトを行う際に、広い空間で、風を待ち、その方向を探るという行為の過程で、気象という自然現象と深く関わる機会を持ったことが、後の環境計画への探求へと磯辺を導いていったと考えられる。

嵯峨篤の画像

《パラシュート・キャノピー》
1969(昭和44)
紙、シルクスクリーン 92.0×186.0cm

赤瀬川原平 1937-2014(昭和12-平成26)

1967年3月に、石子順造が、編集者、菊地浅次郎(山根貞男)、梶井純(長津忠)と同人を結成し、漫画批評同人誌『漫画主義』を発行した。『漫画主義』1979年5月の14号まで継続した。本作は、赤瀬川原平がデザインを担当した、同誌No.1-4のためのポスター。同年秋頃、石子の呼びかけで、谷川晃一、辛美奈子、木村恒久、刀根康尚らと立ち上げた、ポスター研究、制作、販売グループ「QUA(クア)」により、シルクスクリーンで、制作されたもの。

『漫画主義』No.1-4 ポスター/QUA発行の画像

《『漫画主義』No.1-4 ポスター/QUA発行》
1969(昭和44)
紙、シルクスクリーン 103.1×73.2cm

靉嘔 1931(昭和6)-

1931年茨城県生まれ。靉嘔は、感覚により世界を認識するための探求の一つとして、1962年後半から、視覚のための「虹」の作品を生み出す。線によって形を描くことを止め、虹のスペクトルの色を平行線のグラデーションで描く絵画の制作を始める。以来、絵画や彫刻、立体などさまざまなモチーフを覆う手法による探求が続けられている。レディ・メイドの手法を使って、既に存在する物やイメージを使う事が多い。富士山をモチーフにした2点の版画作品は、どちらもデンマークにあるルイジアナ美術館で1974年に開かれた「ルイジアナの日本」展のために制作された。

Mt.Fuji [Rainbow Landscape]の画像
《Mt.Fuji [Rainbow Landscape]》
1974(昭和49)
紙、シルクスクリーン 72.5×51.0cm
Mt.Fuji [Rainbow Landscape]の画像
《Rainbow Volcano「Rainbow Landscape」》
1974(昭和49)
紙、シルクスクリーン 72.5×51.0cm

関根伸夫 1942(昭和17)-

『漫画主義』No.1-4 ポスター/QUA発行の画像
《位相-大地》
1986(昭和61)
紙、シルクスクリーン 99.0×200.0cm

1942年、埼玉県大宮市(現さいたま市)生まれ。《位相-大地》は、1968年の「神戸須磨離宮公園第1回現代彫刻展」に出品された。大地に直径2.2m、深さ2.7mの円筒形の穴を掘り、掘り出された土を穴と同じ円筒形に積み上げた現場制作の彫刻作品である。展覧会終了後に、土は穴に埋め戻され、作品そのものは姿を消したが、日本の戦後の美術を語る上で欠かせない作品として、現在まで高く評価されている。本作品は、実際の展示から20年近く経った1986年に制作された、版画作品。

牧野宗則 1940(昭和15)-

牧野宗則は、伝統版画・浮世絵の高い技法と創作版画の精神性とを融合した版画家である。少年時代に出会った歌川広重や葛飾北斎の版画に魅了され、長年にわたり、版画技法の習得に努めた。今回は、18点の作品を寄贈いただいた。広重や北斎の影響が強く見られる作品、有明海シリーズ、富士山の連作など、牧野宗則の画業を一望できる作品が収蔵されることになった。

秋冷無風の画像
《秋冷無風》
1978(昭和53)
紙、木版 20.4×48.5cm
桜満開の画像
《桜満開》
1979(昭和54)
紙、木版 55.0×37.8cm
早春の画像
《早春》
1980(昭和55)
紙、木版 22.7×52.6cm
黎明の画像
《黎明》
1980(昭和55)
紙、木版 41.8×58.8cm
月下岑嶺の画像
《月下岑嶺》
1981(昭和56)
紙、木版 49.5×35.8cm
雪更紗の画像
《雪更紗》
1984(昭和59)
紙、木版 73.5×49.8cm
久遠の画像
《久遠》
1986(昭和61)
紙、木版 49.3×35.3cm
蒼い流れの画像
《蒼い流れ》
1987(昭和62)
紙、木版 22.5×35.0cm
光明の画像
《光明》
1989(平成元)
紙、木版 49.3×74.1cm
なでしこの花の画像
《なでしこの花》
1989(平成元)
紙、木版 35.0×49.7cm
赤い風の画像
《赤い風》
1990(平成2)
紙、木版 49.3×74.2cm
五彩の海の画像
《五彩の海》
1991(平成3)
紙、木版 49.3×35.3cm
祈りの画像
《祈り》
1991(平成3)
紙、木版 49.3×35.3cm
創世の画像
《創世》
1992(平成4)
紙、木版 34.7×49.8cm
華の風の画像
《華の風》
1998(平成10)
紙、木版 34.7×49.7cm
天啓の画像
《天啓》
1999(平成11)
紙、木版 33.7×22.9cm
夢にめぐるの画像
《夢にめぐる》
2004(平成16)
紙、木版 34.8×49.8cm
いのちの花の画像
《いのちの花》
2007(平成19)
紙、木版 34.7×49.8cm

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