日本画 | 油彩(日本) | ミクスト・メディア | 版画 | 彫刻 |
1911年兵庫県朝来郡朝来町生まれ。独自の具象表現を追求した代表的な彫刻家のひとり。
動物と人体と組み合わせたり、単独で動物をモチーフにした作品が多くみられる。《野の兎》は、ごつごつとして豪快なタッチで肉付けされ、兎のどっしりとした胴体の量感と、ぴんと立てた耳の周辺に生れる空間とが絶妙なバランスを保っている。足をくずして横たわりながらも、顔を振り向けて耳を立てて、何かを警戒している様子。俊敏な兎の動感がよく表されている。淀井は木材や針金で心棒を作った上から、麻の繊維を混ぜ込んだ石膏を、直接はりつけたり、吹き付け、それを彫ったり削ったりすることで完成へとすすめていく手法を特徴としていた。石膏原型は、手仕事の跡を伝える1点。《幼いキリン・堅い土》では、若いキリンのしなやかな首の造形が、その周辺の空間をも作品の中に取り込んでいる。
動物の中でも伸びやかな肢体を持つキリンを作家は好み、座ったり、立ったり、動いたりする様子を、繰り返し表現している。
《野の兎》 1967(昭和42) ブロンズ 32.0×34.0×23.0cm |
《野の兎》 1967(昭和42) 石膏 32.0×34.0×26.0cm |
《幼いキリン・堅い土》 1985(昭和60) 石膏 135.0×109.0×73.0cm |