「黄金のファラオと大ピラミッド展」に寄せられた質問にお答えしています(4/27更新)。

展覧会
「黄金のファラオと大ピラミッド展」をご覧いただいたお客様から数多くの質問をいただいております。
それらの質問に対し、監修の方々から回答をいただいていますので、ご紹介します。
(会期中に新しい質問・回答があった場合はその都度更新していきます。4月27日公開)

 
子どものクフ王と雌ライオン女神の像が2体ありましたが、あれらはどのような所にあったのでしょうか?同じような趣旨や意匠のものが同じような場所にいくつもあったのでしょうか?つまり、日本の諸仏のように色々な所に似たものがあったのでしょうか?

古代にどういった場所に置かれたかは不明ですが、早稲田大学調査隊が調査を行っているアブ・シール南丘陵遺跡の岩窟遺構に埋納された状態で発見されました。このような陶製のライオン女神像は、ほとんど類例がありません。

 
三大ピラミッドの角度が太陽光線を表現したものとあり、そこからファラオは、太陽神ラーの化身と考えられるようになったとの解説がありました。ということは、これらのピラミッド以前は、王は太陽神と結びついていなかったのでしょうか?第4王朝では王はラーの化身と考えられ、第5王朝ではラーの息子と考えられるようになったともありましたが、これとどう重なる推移でしょうか?

王は既に初期王朝時代から太陽神ラーの信仰と結びついていましたが、より太陽神ラーの信仰が強力になったのは、第4王朝の頃からです。この頃に王は太陽神ラーの化身と考えられました。

 
メンカウラーなどの王の白冠とコブラのついたネメス頭巾は、意味や使用機会などにどのような違いがあるのでしょうか?

白冠は、上エジプトを象徴する冠を表し、ネメス頭巾は、王が比較的普段に被っていたものと考えられております。

 
一体の像が隣の像の体に回す腕が長過ぎるものが見られますが、当時の写実技巧のレベルと考えてよいのでしょうか?

写実的に表すのではなく、腕を回しているという行為を表すことが重視されたのでした。彫像は、メッセージ性が高いものと考えられます。

 
鬘をつけた高官などの像が多いようですが、当時の鬘はどのような意味をもっていたのでしょうか?

鬘は、身分や役職を示すだけでなく、ファッションや衛生的な意味もありました。

 
王や高官のみ左足を出す姿勢をとっていたのはなぜですか?

王や高官のみが左足を出す姿勢をとったのではなく、女性も左足を出す姿勢で表現されているものもあります。正確な理由は不明ですが、左足を出す姿勢が動きや生命を表しているとも考えられます。一方、両足をそろえた立像は、死者あるいは冥界の神オシリスと同じポーズということで、死を表すとも言われています。

 
人間=肉体+カー(霊、生命力)  +バー(固有の人格を宿した魂)とありました。では、なぜ肉体とカーだけの二重彫像なのでしょうか?三重彫像はないのですか?バーは鳥の姿で描かれるから三重にはなり得ないのでしょうか?

仰る通り、バーは鳥の姿で表され、固定した姿では存在しませんので、三重彫像はありません。

 
「女性が公的職業に就かないと社会的に虐げられているは全くの間違い」という解説がありました。やけに強い口調で、言い過ぎの感もあります。ある種のイデオロギーも感じます。古代エジプトでは性差による割り切った社会的分業が確立していたということはわかりますが、一般論として、政治や制度決定に女性が参加しない形態が続けば男性優位の社会構造が固定化することは東西の歴史が証明しています。この解説はどなたが書いたのですか?吉村作治先生の監修ということでしょうか?

この解説は吉村先生がお書きになられたものですが、先生が仰りたいのは、西欧的あるいは先進国での物の見方というのは、非西欧や古代社会においては当てはまらないこともあるということを言いたいのだと思います。これは解釈の問題ですので、何が正しいか正しくないかというのは個人の考え方次第であると思います。

 
作品No.090供物卓は、浮彫の向きから言うと逆向きの展示の方が解説の意味がわかりやすいのではないでしょうか?この向きにしたお考えを教えてください。

供物卓は、供物を捧げる人間のほうを向くのではなく、供物を捧げられた死者のカーのほうを向くため、このような展示にしたわけです。展示品は本来遺跡にあったものです。そのコンテキストを示すためにあえてそのように置かせていただきました。

 
ミイラカバーはミイラの覆いということですが、木棺の蓋とは別物ということでしょうか?

木棺の蓋とは別で、亜麻布に巻かれたミイラの上に被せたものです。

 
ミイラカバーと黄金のマスクは選択されるものでしょうか?併用されるものでしょうか?

とても鋭い質問です。ミイラカバーとマスクが併用される場合は、カバーの顔の部分はありません。

 
作品048「パン造りとビール造り職人の模型」は、模型であって本物ではないのですか?

本物です。古代に作られた模型であり、副葬品として墓に納められたものです。

このページについてのお問い合わせ

静岡県立美術館
学芸課 TEL. 054-263-5857

一覧へ戻る