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新海竹太郎 《農夫》
1914(大正3)年
28.6×23.6×37.2cm
ブロンズ 当館蔵


 1907(明治40)年、文展開設に際して《ゆあみ》を出品し、その裸体表現が物議を呼んだ新海竹太郎であったが、明治の末には、すでに巨匠としての地位を固めていた。その新海が、人体(裸体)表現以外の主題の広がりを求めて、浮世絵のように世相風俗を活写する「浮世彫刻」を提唱するきっかけとなったことに、日本のロダン受容への反発があったことは興味深い。ロダン作品の模倣を嫌悪し、日本独自の彫刻を探った結果が、人形や置物を強く連想させる彫刻を生むこととなった。本作品もそうした浮世彫刻の一つで、10月24日まで開催する「〈彫刻〉と〈工芸〉−近代日本の技と美」展に出品される。
(当館学芸員 堀切正人)

Index
■ロダン館開館10周年記念事業
■「夏休み子どもワークショップ」 鑑賞を楽しむ2つのプログラム
■<彫刻>と<工芸> ― 近代日本の技と美 ―
■没後30年 香月泰男展 〜<私の>シベリア、そして<私の>地球〜
■研究ノート 鹿子木孟郎《紀州勝浦》について
■本の窓
■「ようこそ現代美術へ−アメリカの夢」展報告


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