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エルンスト・バルラッハ/Ernst Barlach (1870〜1938年)
《読書する僧たちV》
1932年
ブロンズ 55.0×44.5×34.5cm 当館蔵


 やわらかな曲線で形作られた衣の線や穏やかな表情からは、僧たちの人間的な暖かみが伝わってくる。後ろに回って背中から眺めるとさらにその印象は強められることだろう。バルラッハはこのモチーフを何度か扱っており、一人で読書をしているタイプの作品もある。しかし、素朴な宗教感情を表現したものとしては、本作のように二人で読書をするタイプの作品の方がより優れているといえる。
  バルラッハはドイツの彫刻家、版画家。ハンブルク、ドレスデン、パリで学んだ。その後、1906年のロシア旅行でロシアの農民や乞食に大きな衝撃を受け、装飾的作風から表現主義的作風へと変化した。ドイツ表現主義彫刻の代表者であり、木彫、ブロンズ彫刻、木版画、石版画の分野で活躍したが、晩年にはナチスの迫害も経験した。

※この作品は、「美術の20世紀−豊かなる表現」展に出品されます。      
(学芸員 村上 敬)

Index
■吉岡健二郎館長の逝去を悼む
■静岡県立美術館・滋賀県立近代美術館の名品80点でたどる
美術の20世紀 ―豊かなる表現―
明治の絵画から現代アートまで
■平成16年度新収蔵品のご紹介
■研究ノート
ジョアン・ミッチェルの《湖》の色彩、構図のモダニズム的特質
川谷承子
■本の窓「宮芳平自伝 −森鴎外に愛された画学生M君の生涯−」
■自由工房「版画入門」


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