みる誕生 鴻池朋子展
- 終了
- 2022年11月03日(木)〜2023年01月09日(月)
概要
ロダン館の背後に広がる鬱蒼とした裏山へ分け入り、美術館からの《逃走ルート》を探しだすことから、ここ静岡での鴻池朋子の『みる誕生』が始まりました。
鴻池は、あらゆる身近なメディアを用いて、旅をし、地形や季節と共に作品をつくり、一貫して自身の足元から芸術の根源的な問い直しを続けてきました。「みる誕生」とは、生まれたての体になって世界と出会う驚きを表す鴻池の言葉です。視覚だけではなく、観客は作品を手で看(み)て、鼻で診(み)て、耳で視(み)て、そして引力や呼吸で観(み)て、眠っていた感覚を目覚めさせます。今回は、実際に裏山の小径を整備し、美術館という硬直した建築と、疎遠になってしまった自然界に、観客の身体と想像力とで新たな通路を開いていきます。
また一方、国立療養所 菊池恵楓園 絵画クラブ「金陽会」の作品、多くの方々と手芸で綴る《物語るテーブルランナー》という他者の力、人間以外の造形力である《どうぶつの糞》にも加勢してもらい、美術館のコレクションと豊かに対話させます。
これまで芸術が特権的に提示してきた価値観、それによる文化と経済のグローバリズムの構造が、今、地球規模の問題とともに大きな転換期を迎えています。本展は、前会場の高松市美術館からそのリレーのバトンを引き継ぎ、この静岡の地でさらに変容を重ねます。芸術は、常に生き延びるために伸縮や宙返りを繰り返し、揺れ動いています。生きていることは、みな、時も光も全て違う。観客さえも、もはや人間だけではないのです。
鴻池朋子 Tomoko Konoike
アニメーション、絵画、絵本、彫刻などから手芸、おとぎ話、歌まで、あらゆる身近なメディアを用い、旅をして地形や季節と共に作品をつくり、一貫して芸術の根源的な問い直しを続けている。主な個展、2015~2017年「根源的暴力」神奈川県民ホールほか2会場(2016年芸術選奨文部科学大臣賞受賞)、「ハンターギャザラー」秋田県立近代美術館、2020年「ちゅうがえり」アーティゾン美術館(2020年毎日芸術賞受賞) 他。1960年秋田県生まれ。
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主な展示物
![画像:会場風景(エントランス)<br><small>柱周りインスタレーション</small>](/uploads/exhibition/d5042cd0828e8e855c6f2d23ecf4d6db45ff519c.jpg)
柱周りインスタレーション
![画像:会場風景(階段 踊り場)<br><small>《アースベイビー》 2009年</small>](/uploads/exhibition/3563eaeeb45072a8ad4b43721a2f6f445ff63e11.jpg)
《アースベイビー》 2009年
![画像:会場風景(展示室)<br><small>国立療養所 菊池恵楓園 絵画クラブ「金陽会」 絵画作品<br>静岡県立美術館コレクション<br>《振り子 アースベイビー 初号機》 2020年<br>ほか</small>](/uploads/exhibition/4c56f2239ff5b3220d61767c24221c1f00cd5bd6.jpg)
国立療養所 菊池恵楓園 絵画クラブ「金陽会」 絵画作品
静岡県立美術館コレクション
《振り子 アースベイビー 初号機》 2020年
ほか
![画像:会場風景(展示室)<br><small>国立療養所 菊池恵楓園 絵画クラブ「金陽会」 絵画作品<br>静岡県立美術館コレクション<br>《振り子 アースベイビー 初号機》 2020年<br>ほか</small>](/uploads/exhibition/1f096a904c4de3c1450a7e35e2b1fa1b871af465.jpg)
国立療養所 菊池恵楓園 絵画クラブ「金陽会」 絵画作品
静岡県立美術館コレクション
《振り子 アースベイビー 初号機》 2020年
ほか
![画像:会場風景(展示室)<br><small>襖絵(地球断面図、流れ、竜巻、石)の内、石(部分)2022年<br>石橋財団アーティゾン美術館蔵<br>ほか</small>](/uploads/exhibition/e2c266c63f7135f28acb01a232911fe7a73c9414.jpg)
襖絵(地球断面図、流れ、竜巻、石)の内、石(部分)2022年
石橋財団アーティゾン美術館蔵
ほか
![画像:会場風景(展示室)<br><small>《ドラえもんの歌on森吉山》 2017年 <br>《隠れマウンテン シャイニング/S》 2011年</small>](/uploads/exhibition/055fc39491b267f0e34f2eb8794a7190f9e1ac63.jpg)
《ドラえもんの歌on森吉山》 2017年
《隠れマウンテン シャイニング/S》 2011年
![画像:裏山のインスタレーション<br><small>《狼ベンチ》2022年</small>](/uploads/exhibition/9de4a974a9fe042143d9fc208de434dfd937111d.jpg)
《狼ベンチ》2022年
![画像:裏山のインスタレーション<br><small>《皮トンビ》2022年</small>](/uploads/exhibition/e2b6d09a1d7acb1397f9f2f3dd749a93951ac142.jpg)
《皮トンビ》2022年
展覧会基本情報
開催期間 | 2022年11月3日(木・祝)~2023年1月9日(月・祝) |
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開館時間 | 10:00~17:30(展示室の入室は17:00まで) |
休館日 | 月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日休館。ただし、1月2日(月)と1月9日(月・祝)は開館) |
年末年始休館 | 2022年12月27日(火)〜2023年1月1日(日) |
観覧料 |
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チケット販売所 | 前売券は10月10日(月)から順次発売を開始します。
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主催 | 静岡県立美術館/静岡新聞社・静岡放送 |
※本展には、屋外展示作品があります。滑りやすい土の道がありますので、ご観覧の方は、動きやすい服装と靴をご着用下さるよう、お願いします。
イベント情報
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イベント
トーク 1「美術館のケモノミチ」
出演:鴻池朋子×木下直之(当館館長)
- 日時:
- 2022年11月06日(日)
- 場所:
- 当館 講堂
![](/uploads/program/01b84a9a0c879067309db76e3fcbf86a950c80e1.jpg)
イベント
筆談ダンス Dance in Writing
ろう者で、普段は手話や筆談で会話をする木下知威と、鴻池朋子の二人が、声と聴覚ではなく、目と手と体を使って対話し、文字と絵が描き出されます。 出演:木下知威(歴史学者)、鴻池朋子
- 日時:
- 2022年11月06日(日)
- 場所:
- 当館1階 エントランス
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イベント
トーク2「裏山が抜け道になる」
出演:鴻池朋子×川谷承子(当館学芸員)
- 日時:
- 2022年11月20日(日)
- 場所:
- 当館 エントランスホール
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イベント
みる誕生会(11月20日(日))
見えない人・見えにくい人4名、見える人4名がそれぞれペアになって、 手で見て語る鑑賞会。 参加料無料・要申込、観覧料が必要です。 ※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳所持者は観覧無料 ※見える人の対象は、高校生以上です。
- 日時:
- 2022年11月20日(日)
![](/uploads/program/a07d71486eba86b21798cdb897bcf62fad584b4b.jpg)
イベント
みる誕生会(12月10日(土))
見えない人・見えにくい人4名、見える人4名がそれぞれペアになって、 手で見て語る鑑賞会。 参加料無料・要申込、観覧料が必要です。 ※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳所持者は観覧無料 ※見える人の対象は、高校生以上です。
- 日時:
- 2022年12月10日(土)
![](/uploads/program/02f1d18dedd99041563c3b017085310e671c654f.jpg)
美術講座
館長美術講座 「日本美術糞尿譚」
講師:木下直之(当館館長)
- 日時:
- 2022年12月11日(日)
- 場所:
- 当館 講堂
![](/uploads/program/93d6a1f49b5e210e89a3c0ea53c43b3ca6b9fd34.jpg)
イベント
みる誕生会(12月11日(日))
見えない人・見えにくい人4名、見える人4名がそれぞれペアになって、 手で見て語る鑑賞会。 参加料無料・要申込、観覧料が必要です。 ※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳所持者は観覧無料 ※見える人の対象は、高校生以上です。
- 日時:
- 2022年12月11日(日)
![](/uploads/program/3dafd8b8de8e940f90a1980eb52adb8beb942141.jpg)
展示解説
学芸員によるフロアレクチャー(みる誕生 鴻池朋子展)
展示室で担当学芸員が解説を行います。
- 日時:
- 2022年12月18日(日)
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イベント
「みる誕生 鴻池朋子展」を学芸員と一緒にめぐってみよう
なかなか難しい現代アートの世界。「みる誕生 鴻池朋子展」企画展示に関わった静岡県立美術館上席学芸員の川谷承子を案内役に、現代アートに触れ、この企画展が「私たちに問いかけるもの」を一緒に考てみませんか?
- 日時:
- 2022年12月21日(水)
- 場所:
- 静岡県立美術館(12:55エントランス集合)
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総務課 TEL. 054-263-5755
学芸課 TEL. 054-263-5857